はじめに
新型コロナウイルスの対応で測定機を片手に人の体温やサーモグラフで検査している場面をニュースで目にすることが多かったですね。
これまでなんとなく手で触ったり温度計で温度を測定してましたが、全体的にサーモグラフが見れると便利ですよね。
みなさん そんな時はどうしますか?
この記事ではスマホに取り付けられるサーモカメラレンズを初めて使ったことをご紹介します。
サーモカメラレンズをネット注文してみた!
人の発熱を検査したいのではありません。
冷風機CLECOOLⅢの効率アップのため自作ダクトや断熱強化の工作をしているうちにサーモグラフが見れると効果が分かり易くていいなと思っていました。
最初はスマホのアプリで探していましたが、単に画像に色がつくだけで本当に温度が測定出来て表示されるものはみつけられませんでした。
本格的なサーモカメラは趣味で手に入れるにはあまりにコストがかかりすぎます。
そんなときに見つけたのが「FLIR ONE PRO」でした。
サーモグラフの画像を見ると何が写っているのかモノの輪郭がぼけていてわかりづらいこともあります。
このサーモカメラレンズには、一つが赤外線カメラレンズ、もう一つが通常画像のカメラレンズの2つがついています。
この2つのカメラレンズの画像をソフトで合成することで、モノの輪郭とサーモグラフが重なった画像を作っており、非常に見やすくすごいところですね。
FLIR ONE PRO
モデルも1)FLIR ONE PRO 2)FLIR ONE PRO LT 3)FLIR ONE GEN3と3モデルあります。
熱解像度の数値が大きいPROを選びました。
USB端子の形状が各種ありますが、私はandroid端末で Type-C用です。
カメラレンズの熱解像度や測定温度範囲の差などがありますので、お財布と相談して自分が納得するのを選ぶのが良いかと思います。
新型コロナウイルス対応で使用されるのか、入荷待ちのところも多かったです。(2020年5月8日現在)
在庫があったと思ったらUSB端子形状やモデルが違う場合がありますので、十分内容確認が必要です。
端子に向きのあるmicro USBは、スマホの画面を見たときレンズが前になるように、自分のスマホの端子の向きに合った製品を選ぶ必要があります。
端子の形状を誤って注文すると自分が写って使えませんので、よく調べて慎重に注文する必要があります。
その点、Type-CやiOSの端子は向きがなく、レンズの前後を逆にして差し込めば自撮りも出来ます。
FLIR ONE PROを1時間ほど充電後に底のスイッチを押してから、スマホのUSB端子に差し込みます。
先にスマホに専用アプリ(FLER ONE)をインストールしておけば、お待ちかねのサーモグラフ画像が写しだされます。
色による温度だけでなく、ピンスポットや〇枠内、□枠内の温度表示がされるのもなかなかの機能です。
まずは部屋中の熱を発するものを見てまわりました(笑)
パソコンや、テレビ、長く座っていた床、冷蔵庫、カップラーメンやみそ汁、ごはんなど温度があるものがはっきりわかります。
コンセントのタコ足配線で過熱していないかなども見れます。
今まで見れなかったものが自分で見れるのは新鮮な経験でした。
冷風機CLECOOLⅢの実験前に
冷風機CLECOOLⅢの効率アップのため自作ダクトや断熱強化は現在工作中です。
自作ダクトに使うアルミレジャーシートや冷風機本体からの断熱性を高めるために使うエプトシーラー(防音、断熱材 EE-1010:日東電工)を試してみます。
断熱効果を調べてみた画像が以下になります。
これまでもドライヤーで反対側から温めてみて手のひらで確かめていましたが、わかりやすくなりました。
室温は25℃くらいです。
アルミレジャーシートの実験
1枚増やすごとに断熱性がどうなるか見るためにスツールに4枚貼り付けて実験の準備です。
1枚ずつ増やしながらサーモグラフを見ていきます。
スツールの上にドライヤーを置いて、アルミレジャーシートの反対側がどの程度の温度になるかを見ます。
ドライヤーの熱風が当たるところは55.0℃になっています。
1枚の時の反対側は43.9℃で11℃ほど遮熱されています。
2枚の時の反対側は36.1℃でさらに7.8℃ほど遮熱されています。
3枚の時の反対側は31.6℃でさらに4.5℃ほど遮熱されています。
4枚の時の反対側は28.7℃でさらに2.9℃ほど遮熱されています。
アルミレジャーシートで自作ダクトを作るときに、手のひらで触った感じでは2枚重ねではまだ断熱効果が不足し、3枚重ねならまあまあかなと思っていましたが、人の感覚的なことが見た目によくわかりますね。
エプトシーラー
車や空調機などの遮音性や断熱性を高めるためのEPDMゴム発泡体が使用されています。
片面が粘着シートになっており、断熱したい部位に簡単に貼り付けが出来そうです。
ドライヤーの熱風が当たるところは55.7℃になっています。
写真ではわかりにくですが裏側は25.1℃と室温です。
かなり遮熱性が高いですね。これは期待できます。
遮音性は今後確かめてみます。
断熱付ダクト
冷風機CLECOOLⅢの効率アップのための工作記事の方に今後書く予定ですが、当初断熱付の樹脂製フレキシブルダクトを使ってみようとしていました。
折角ですから実験してみますね。
ダクトの中にドライヤーの熱風を吹き込んでみました。
熱風が直接当たらないところは24.9℃で室温相当です。
熱風が当たるところは30.3℃でまあまあですね。
試作中のダクトと標準ダクト
試作中の断熱ダクト(チャンバーボックス)と冷風機CLECOOLⅢに標準付属のフレキシブルダクトでも実験してみました。
ドライヤーのところがCLECOOLⅢの熱風排出のためダクトを接続するところです。
四角い箱のところがアルミレジャーシートを3枚重ねで自作したチャンバーボックスです。
上の細い排気口を車の窓ガラスにはさみ車外へ熱風を排気します。
チャンバーボックスの左と上につないでいるのが標準付属のフレキシブルダクトです。
赤く見える標準付属のフレキシブルダクトで58.1℃とドライヤーの吹出し温度と同等ですね。
これは断熱性がなくこのフレキシブルダクト部分で車の中暖まってしまい、それだけ冷房効果が低減します。
自作チャンバーボックス部分はそこまで色が変わっておらず断熱効果があることがわかります。
今回、CLECOOLⅢの熱風排出ダクトや本体からの熱を断熱することで、冷房効率アップを狙った工作をしています。
※サーモカメラの使用には習熟しておらず、温度測定ポイントのズレで温度に変化がありますが、概ねの断熱の傾向がわかります。
しくじりポイント
・じっくり探して少し納期を待てれば値段が安くなっているショップからも購入可能ですが、早く実験したかったので定価で手に入れることになりました。
・WEBでアップされている取扱説明書の内容は、最新のアプリと合っていません。
・アプリ(FLER ONE)の設定⇒ヘルプに現行の取扱説明が記載されていることがわかりましたが、画面のアイコンの説明など合致していないこともあります。
・ヘルプに記載の取扱説明に記載内容でわからないことを検索しても詳細な説明が見つけられませんでした。
・USB端子だけでスマホとつながっており、何かにぶつけて外れたりしないよう注意が必要です。端子が曲がりそうで心配な面もあります。
・何かサーモカメラレンズ本体をスマホに固定する工夫が必要かもしれません。
まとめ
まさかサーモグラフを自分で見れるようになるとは思っていませんでした。
サーモグラフが見れるとこれまで以上に知りたかった世界が広がったような気がしますね。
フリーソフト(FLIR Tools)をインストールすればパソコンでも合成前の画像などが見ることも出来ます。
厚みのあるアルミレジャーシートを使えばもっと断熱性は上がると思います。
しかし小さく折りたためる断熱ダクトが出来ないかこだわっており、あれこれ考えて試作中です。
断熱ダクトの自作が終わったら、冷風機CLECOOLⅢで同様に断熱対策前後を調べてみて記事にしますね。
みなさん こうしてみると自宅で出来ることもまだありますね。
ダム旅etcに旅立った後は車中泊前の車内と、CLECOOLⅢを作動させてみてどんな感じで車内が冷えているのか、熱風はきちんと車外に排風されているかなどをサーモカメラで写したり、タイムラプス動画で温度の移り変わりを調べてみるのも面白そうですね。
そんなこともいずれは記事にしてみますね。