はじめに
生口島1周のサイクリングで初乗りするビンテージロードレーサーのご紹介です。
ビンテージといっても40年以上前のパーツを使い、フレームは最近作ったモノで微妙ですが、見た目はビンテージロードレーサーそのものですね(^^)
自転車が出来上がったら使うのが勿体なくて、1度も乗らずに飾ってあっただけですが、乗れば自転車も喜ぶことでしょう。
この機会に乗ってみることにしました。
ビンテージロードレーサーのご紹介
フレーム製作とパーツ組み立てをオーダーした自転車が何なのかご紹介しますね。
今はロードバイクと呼ばれていますが、昔はロードレーサーと呼んでいました。
細いタイヤはチューブラータイヤしかない時代ですね。
40年ほど昔の学生時代に憧れだったパーツを組んだロードレーサーを作り、乗ってみたい夢を長年温めていました(^^)
東京に単身赴任の時にそのチャンスがやってきました。
川口市に自転車フレーム製作の老舗の東叡社(TOEI)があり、どんなロードレーサーを作って欲しいのか組みたいパーツリストを持って説明し、自分の身体を採寸していただきオーダーシートを作っていただきました。
旅行用の自転車ランドナーやスポルティーフを作るのが有名な工房でオーダーすることは学生の頃の憧れでした。
鉄のパイプをカットして溶接した自転車フレームを製作し、好みのパーツを組付け、自分だけの自転車を製作するオーダーです。
学生当時はオールカンパという言葉にも憧れていました。
イタリアのパーツメーカーCampagnolo(カンパニョーロ⇒カンパ)でパーツを全て揃えることは学生には高嶺の花でした。
オーダーに行った後に、数年かかってオークションなどで集めたパーツを壊れないように梱包して送り、およそ半年待って組み上がってきました(^^)
ステムとシートポストは自分で調整して締め付けです。
昔はリムにスポークを通して車輪から全て自分で組み立てていたのが懐かしいです。
丁寧な仕上げでメッキがキレイです。
総重量は9.5kgでした。今のカーボンの自転車に比べると重いですが、当時は10kgを切れば軽い方でした。
フロントフォークやチェーンステイ、シートステイは半分メッキ仕上げにしてもらいました。
ラグもメッキ仕上げです。
トップチューブにリアブレーキのワイヤーを内蔵していただきスッキリしています。
シートチューブには昔ながらにフレームポンプをつけるので、ボトルケージ用の台座はつけていません。
フレームカラーは私の中ではTOEIといえば黒です。
フレームパイプは、今も在ると思っていなかった憧れだったイタリアのコロンバスSLを使うことになりました。
フレームパイプもパーツもイタリア製で、昔のイタリア製のロードレーサーの香りがしてきます(^^)
本来ならばフロントフォークのラグの下にもコロンバスを使っていることのシールが貼られるのですが、同包されていなかったとのことで、仕方なくレプリカのシールを2枚自分で手に入れて後でフロントフォークに貼りました(^^;
シートチューブのは本物です。
昔ながらの東叡社のTの字のヘッドバッジや、シンプルなTOEIのロゴと細いパイプのフレームは懐かしさを感じます。
ほぼオールカンパのパーツです
当時の自転車を知っている方には懐かしいモノばかりだと思いますよ(^^)
パーツは40年以上前のビンテージパーツをヤフオクやセカイモンなどで数年かかり集めていました。
外国から届いたパーツには状態の良くなかったのもあり、ヤフオクで再調達したモノもありますが、出来るだけ状態の良いモノやデッドストックの新品を選んできました(^^)
クランク:カンパ スーパー レコード 42/53T Strada 175㎜
クランクに溝付きのタイプです。170ミリでも良かったのですが、フルカーボンのコルナゴと同じ長さを探してみつけました。
当時はカンパスーパーレコードのシンプルなアームとスプロケットに憧れました。
今ではインナー42Tは重すぎです。中古ですが、カンパの古い時代のパーツであるPATENT刻印ですね。
何度もクランクを脱着されたためか、クランク軸とクランクの間が広がりルーズになり若干ぐらついたため、薄い鉄板を入れてしっかり固定していただいたそうです。
中古部品は現物合わせなところもあり、こんなことはなかなかわかりませんね(^^;
ボトルケージ:ENE CICLO ENE ボトルケージ T-2
昔のモノではありませんが、昔の雰囲気がある製品を探しました。
ディレイラーハンガー:写真では見えませんが東叡社にあったカンパ?のハンガーをボトムブラケットの上側に溶接してあります。
クランクカバー:カンパヌーボ/スーパー レコード
クランク軸にクランクを締めるクランクボルトを隠すためのキャップです。
当時はこのキャップを外してクランクボルトを見せるのが流行っていたような気がしますが、メッキがキレイでつけることにしました。
カンパの古い時代のパーツであるPATENTの文字が刻印されているものを探しました。
BB・クランク軸 :カンパヌーボ レコード 68-SS-1201 BSC(JIS)ネジ規格68㎜
クランクボルト:カンパ 鉄
スーパーレコードにはチタンのクランク軸がありますが、高価なこともあり見えない所なので鉄にしました(^^;
フロントディレイラー:カンパヌーボ レコード 28.6mmバンド式
プレートの前にえくぼ(凹にくぼんだ加工)がないフラットな初期のモノで、バンドにこだわっています。
旧カンパのロゴ、地球マークですね。
学生の時はえくぼ付きのヌーボレコードを使っていました。
アームの取り付け部がフラットなもっと古いタイプも集めていますが、割れやすいので、実用的に補強が飛び出ているタイプの方を使用しました。
ペダル:カンパ スーパーレコード スーパーレゲロ cro-mo
擦れて黒色が削れそうですが思い切って乗ってみます。
シャフトがチタンの製品もありますが、高価なこともありこのクロモリ鋼にしました。
このころのカンパの製品はアルミの仕上げがキレイで、磨けばピカピカになりました。
トークリップ:カンパ アルミ
今は簡単なビンディングシューズになり使うことは無くなりました。
ペダルを返してトークリップにシューズを入れる前に、地面とこすって傷つけたり折ったりよくしていました(^^;
トーストラップ:カンパ レコード laminated leathe
昔は止まる少し前にトーストラップを手で緩めて足を外していたのが懐かしいですね。
学生の時には革のレーサーシューズの裏にはシュープレートを釘で固定して、きつくトーストラップを締めてロードレースなどに参加していました。
実はその時のシューズを今も保管していて、この記事を書いていて懐かしくなり出してきました(笑)
シューズはたぶんイタリア製のデット・ピエトロです。
履いてみるとピッタリです。足のサイズってそんなに変化しないものですね。
かかとの革の縁取りを靴屋さんで直せば、まだまだ履けそうな感じもします。
シュープレートはTAだったかな?
シュープレートの溝をペダルの後ろのプレートにハメて、トーストラップを締めるとシューズが固定されます。
レースなどで引き足で力が入るとトーストラップを締めていてもシューズが抜けることがあったので、溝の深いタイプをつけていますね。
アルミのシュープレートやかかとがすり減っています。
歩きにくく、歩くとカツンカツンと音がしていましたね。
溝にドロなどが挟まるとペダルにかまないので要注意でした。
このシューズでビンテージロードレーサーに乗ればばっちりなのですが、この深いスリットの入ったシュープレートですぐにペダルから足を外す自信がありません(^^;
ビンディングシューズの簡単な外し方に慣れてしまっていますからね。
生口島サイクリングではうまく外せないといけないのであまり締めずに乗りましょう。
ブレーキ(ワイヤー共): カンパ レコードスモール
デッドストックの新品です。ブレーキレバーはこれを使わずレバーが穴あきのスーパーレコードにしました。
ブレーキシューもこれに合う今の製品(旧カンパ用)があったので、自分で交換しました。
Wレバー: 凸タイプカンパWレバー
直付け台座への取り付けではなくあえてメッキのバンド式にこだわってみました。
バンドには旧カンパの地球マークです。
なで肩のTOEIオリジナルラグのメッキもキレイですね。
左のように文字のところが凹になっているタイプも集めていますが、見慣れている凸のタイプを使用しています。
学生の時は軽量化といってこのレバーの内側をくり抜くのが流行っていて、自分でもやすりで抜いていました。
レースの途中で力を入れすぎて根元が折れた経験をしたので、実戦ではパーツが弱くなるようなことはしていけないなと学びました。
パイプの裏にはレバーがズレないようにプレートを溶接してもらいました。
シートステイの巻きステイを長めにするようオーダーしましたが職人技で溶接されています。
メッキと塗装がキレイに分けられています。
ハンドル:チネリ ジロ デ イタリア
当時の鉄仮面ロゴにこだわっています。
学生の時は同じくチネリのチャンピオンドモンドやクリテリウムを使っていました。
コルナゴもやはりこだわってチネリにしています。
このジロデイタリアもなかなかハンドル脱着時の傷が少ないモノが無くていろいろ探していました。
ヤフオクでビンテージサイクルパーツを多く扱っておられた「サイクルショップ栗田商店」の実店舗が茨城県古河市にあったので、東京に居る時に探しに行きました。
店主の栗田さんに探していることの事情をお話ししたところ、ヤフオクに掲載前のジロ デ イタリアが1本あるとのことで、見せていただきました。
しかしこの当時のハンドルサイズとステムサイズはバラつきがあり、実際に両方を合わせてみないと、合うかどうかがわからないとのことでした。
ハンドルのサイズをノギスで測っていただき、取り置きということで、自分が集めたステムのサイズを測り合うようならば購入させていただくことにしました。
帰って測ってみたらピッタリです!持ってる!
早速、栗田さんに連絡して購入し、ビンテージロードレーサーにつけることが出来ました。
昨日、カンパのチェーンリングのインナーを探そうと「サイクルショップ栗田商店」を検索しても見当たりませんでした。・・・弟さんのブログに閉店する記事が書かれていました(^^;
昨年1月に亡くなられたそうです。
実際にお会いしたのはこの時だけでしたが、他にもヤフオクではお世話になっていました。ビンテージサイクルパーツを多く扱っておられたお店が1つ無くなったことは、ビンテージパーツファンには寂しいことですね。
思い出のハンドルとなりましたが、大切に使っていきたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
(いつまで残るかわかりませんがリンクを貼っておきます。)
ステム:チネリ 1Aステム 100㎜
旧ロゴ MILANOにこだわっています。
バーテープ:白 チネリ 3D リボン バーテープ ホワイト
昔のロゴの製品ではありませんが、チネリにこだわっています。
バーエンドキャップ:チネリミラノクラッシックバーエンド
ブレーキレバー: カンパ スーパー レコード
軽量化のための穴開きのレバーに憧れました。
ハンドルの角度とレバー取り付け位置は一番格好良いと思う所を指定してつけていただきました。
ブレーキレバーパッド:旧カンパ地球マーク レプリカ
当時のモノはゴムが劣化しているのでレプリカに交換しました。
ヘッドセット:カンパニョーロ ヌーボレコード スチール製 ITA規格
アルミ製のスーパーレコードとせず、メッキのキレイなスチール製にこだわっています。
リム:スーパーチャンピオン アルカンシェル
大阪に単身赴任中にサイクルショップキムラに飾ってあるのをみつけました。
店長さんに譲って欲しいことを話して、リムとスポークとハブを手組みしたモノを売っていただき保管していました。
数年保管していましたが出番が来ましたね(^^)
やっと自転車として完成したことをお見せしご報告したいところですが、コロナのこともあり難しいですね(^^;スポーク: エトワールバテットスポーク1.6×1.8
軽量化のために途中が細くなっています。
ハブ:カンパレコードスモール BSCイギリス6段用 F120 R126㎜
リムもハブもアルミがくすんでいますが、これも磨くとピカピカになります。
当時はアルミパーツを磨いてピカピカにするのが流行っていたような気もします。
クイックレバー:左側の古いフラット型に交換しています。
クイックのボルト:古い円錐形のモノに変えています。
リアのハブは6段用で幅が126ミリのものです。5段用とはアルミのスペーサーの数で幅が調整されていて他は共通だそうです。
シャフトは6段用のままとし、ボルトとクイックレバーを取り換えています。
チューブラータイヤ:チャレンジ クリテリウム 320 チューブラー 25C
当時の高級なチューブラータイヤメーカーCLEMENT(クレメン)を起源とするメーカーのハンドメイドのタイヤです。
当時のクレメン セタ・クリテリウムなど絹を使ったタイヤはとてもしなやかで良かったようですが、とても高くて使うことは出来ず憧れでした。
当時はリムセメント(接着剤)でタイヤとリムを接着していて乾くまで1日位は乗れませんでした。手やリムにリムセメントがついたり、リムにハメるのも固くて結構大変でした。
シーラーなどもなく、リムセメントがついた古いチューブラータイヤをサドルにつけておいて、サイクリング途中でパンクした時は交換してゆっくり走って帰っていました。雨の日のパンクはくっつかず大変でしたね(^^;
今はリムテープ(強力な両面テープ)が開発されたので簡単になりました。
リムテープになったおかげとシーラーを事前に入れておくことで、今もチューブラータイヤに乗る気になれます。
チェーン: レジナ EXTRA SL
軽量化のためピンが穴あきタイプです。
ボスフリー:レジナ エクストラ 6段14-21T
昔はハブにこのボスフリーをねじ込んで使っていました。
学生の時はこのイタリア製のボスフリーなどは使えず、シマノの安い製品を使っていました。
重いのがなんだか懐かしいですね。
最初はこの28Tまでのを用意していましたが、ディレイラーのプーリーと干渉し無理でした(^^;
24Tもダメで21Tとなり、F42T×R21Tでは今の体力で急坂は無理です(笑)
リアディレイラー:カンパ スーパー レコード Early Style 77
ヌーボレコードと形は一緒ですが本体の一部が黒く塗られたスーパーレコードです。
リアディレイラーハンガーへの固定ボルトなどはチタン製で軽量化が図られています。・・・と書きながら本当か確かめたくなりました。マグネットが全くつかなかったので間違いなくチタンでした(笑)
学生の時はヌーボレコードを使っていたので懐かしいですね。
プーリーはやはり経年劣化で割れていましたので、セラミックベアリングのBBBのプーリーに交換しています。
純正のレプリカが欲しかったのですが在庫が無く、良くみないとわからないので良しとしましょう。
実際に乗ってみて特に不具合は無く調子良かったですね。
エンド:カンパのロングタイプとショートタイプをたまたま東叡社が持っておられて、右側のコンパクトなショートタイプを選びました。
フレームが完成したらメッキがかかりキレイに光っていますね。
サドル: チネリ ユニカN0.2
学生の時に使っていたのと一緒で、デッドストックの新品です。
バックスキンの革が懐かしいですね。
シートポスト:カンパスーパー レコード 27.2㎜
1本締めタイプでデッドストックの新品です。2本締めタイプの方が良かったかな。
シートピン:カンパ 刻印深彫 写真がぼけていますがメッキがピカピカです。
テールランプ:グランボア オリジナル
昔の製品ではありませんが、小さなUSB充電式LEDライトで似合っています。
ランドナーなどでよく加工されていたシートパイプに直付けです。
フレームポンプ:シリカ ヘッドをカンパの二股に変えてつけています。
こんなポンプも懐かしいですね。
ポンプのパイプが弱くて押していて折れて、仲間のポンプを借りてパンク修理をしたこともありました。
純正は先のゴムキャップが草色ですが劣化して割れていたので、合いそうな黒いキャップをみつけてきて替えました。
サイクルウエア:このビンテージロードレーサーに合わせて、エディ・メルクスが所属していたチーム「MOLTENI(モルテニ)」の復刻ビンテージウエアなども用意していましたが、まだ袖を通していませんでした。
学生の時はこのモルテニのキャップをかぶってサイクリングしていました。
今回着て走ってみることにしました(^^)
シューズ:パトリック ポリドール
昔のレーサーシューズでは乗れそうにないので、ビンテージな雰囲気のシューズを探していてみつけました。
昔のツールドフランス他で活躍した選手が履いていたシューズの復刻版だそうです。
細身のシューズで私の足に合い、トーストラップとペダルの組み合わせにピッタリな感じです。
生口島サイクリング後にパーツ交換をする
生口島でのサイクリングで不具合のあった以下のパーツを交換することにしました。
元々が40年以上前のビンテージパーツの寄せ集めです。
手に入れるにはオークションで探すか、互換性のある今のパーツを探すことになります。
チェーンリングのインナー
ペダルをこぐ時の擦れる音と急坂での歯飛びの原因はチェーンリングのインナーの摩耗です。
これを必ず交換しないと快適なサイクリングが出来ません。
ヤフオクでSpecialites TAのCompetition インナー チェーンリング PCD 144㎜の41Tをみつけました。
この当時のカンパのインナーの最小歯数は42Tですが、このメーカーのは41Tが最小歯数です。
坂を少しでも軽く登るため、純正にはこだわらずに手に入れました(^^;
内側につくチェーンリングは良く見ないと純正かどうかはわからないので、機能優先で良しとしますね(笑)
チェーンリングのアウター
インナーほどは摩耗していませんが今後のトラブル防止のため新品に交換することとしました。
インナーの交換により固定ボルトを外すのに併せて作業した方が1回で済みますし、他の駆動系パーツが新品なので合わせた方がいいですね。
古いカンパの刻印PATENTで無くなり、その後のBREV刻印になってしまいますが、今と同じ53Tのデッドストック新品をヤフオクで手に入れました。
その他
リアディレイラーハンガーを延長するパーツがありました。
合うのかわかりませんが試してみようと思います。
少し格好悪くはなりますが、大きいギアが入れられるようになれば、当初のボスフリーに替えてみたいと考えています。
まとめ
40年以上も前のパーツでロードレーサーに乗れるなんて夢のようです。
時間とコストはかかりましたが、この自転車で夢が1つ叶いました。
ダム旅etcもいつかは終わるので、またはその合間にこの自転車でサイクリングをしてみたいですね。
その時にはまたビンテージロードレーサーのサイクリング記事などを書いてみますね。