- はじめに
- なぜ排熱ダクトの断熱性を高める必要があるのか?
- 温度状況をサーモカメラで見てみた!
- 排熱ダクトの断熱性を上げるには
- 排熱ダクトを自作するアイデアはここから!
- アルミレジャーシートを排熱ダクトの素材にする
- 最初の試作
- チャンバーボックスを作ってみる
- このままではいいものが出来そうにない(^^;
- しくじりポイント
- まとめ
はじめに
軽キャンパーに冷房機をつけてみる!(本体の工夫・前編)の記事で、音を軽減する遮音対策と冷房効率を上げるための断熱対策の工夫が必要と書きました。
みなさん 排熱ダクトの断熱性を高めるにはどうしますか?
この記事では車内への熱の発散を軽減する工夫をご紹介します。
なぜ排熱ダクトの断熱性を高める必要があるのか?
前回の記事で書いたことのおさらいです。
・冷風機はざっくりと書くと、車内を冷やすために奪った熱をダクトで排気し車外に熱を放出する仕組みです。
・課題は標準付属の排熱ダクトに断熱材がなく、排熱ダクトなどが熱風で暖められて熱くなることす。
せっかく冷風が出ても排熱ダクトが熱くなれば車内も冷えにくいですよね。
・熱を車外に確実に出すことの工夫が必要そうです。
温度状況をサーモカメラで見てみた!
室温24℃の時に部屋の中で20分ほど作動させてサーモカメラで温度の状態を見てみましょう。
まずは撮影の準備です
車の中にCLECOOLⅢを置いてダクトで車外に熱風を排気するイメージでスツールの上に標準ダクトを伸ばしてみました。
※写真では実験のため室内に排気していますが実際に車外に排気します。
標準ダクト表面のサーモグラフ
断熱材のない標準ダクトの表面温度は40℃近くと室温より16℃も高くなっています。
こんなに暖まっていればせっかく車内を冷やしても相殺されて冷房効果は下がります。
いかにダクトからの熱を断熱するのか工夫が必要ですね。
排熱ダクト左側のサーモグラフ
前回の記事では手で触れて本体が熱くなると感じた熱交換機の前がやはり36℃くらいになっていました。
室温24℃で35℃ですから真夏に使用するともっと熱くなのではと推測します。
いかに本体からの熱を断熱するのか工夫が必要ですね。
排熱ダクト右側のサーモグラフ
右上半分には空気を冷たくする熱交換器があるので温度は上がっていない色ですが、下側のコンプレッサーがあるところは温度が上がった色になっています。
ダクト周りは熱風が伝わり32℃以上と室温より8℃以上高くなっています。
本体側面冷風取り入れ側のサーモグラフ
エアコンの室内機にあたる熱交換機があり冷たくなる部分は周りより温度が下がって青く写っています。
下側のコンプレッサーがあるところは温度が上がった色になっています。
熱風が出る付近ではないためあまり高い温度にはなっていませんが少しでも断熱したいところです。
本体側面熱気用空気取り入れ側のサーモグラフ
奥の熱交換機があるあたりは温度が上がっていますが、室内の空気を取り入れるところのためこの部分の表面温度はあまり上がっていません。
こちら側はあえて断熱する必要はなさそうです。
冷気吹出口側のサーモグラフ
吹出口の温度は13.9℃とよく冷えた冷気が出ています。
右上の熱交換器側は温度が上がり、左側の熱交換機側は温度が下がっています。
温度の上がっている部分を少しでも断熱をしたいところです。
※カメラの色の範囲指定の変更により同じ温度でも別の色になっている場合もあります。
測定ポイントのズレなどにより表示温度には誤差が生じますので目安として参考にしてください。
排熱ダクトの断熱性を上げるには
サーモグラフを見ることで、熱くなっているどこの断熱性を上げればよいか明確になりました。
まずは温度が一番高い排熱ダクトへの対応が必要ですね。
何を使って断熱するのが良いでしょうか。
断熱付ダクトを使ってみる
熱風で温まった排熱ダクトからの熱が車内に伝わらないように断熱することで冷房効果が上がります。
標準で付属のの排熱ダクトの周りに断熱材を巻く方法もあります。
断熱付ダクトの方が見た目にきれいで手っ取り早いと考えて採用しましたが・・・。
ネットでみつけたのは「タイロン フレキホース BR型 (結露防止タイプ) TH12BR-1.5 125φ×1.5m」です。
少々値ははりますが考えていた条件には合っていたのでどんなものかクリックです。
ダクトの内側にスポンジみたいな断熱材が貼られています。
車の内装に合わせてグレーです。
ドライヤーで中から温めてみてもダクト表面はさほど温かさは伝わりません。
この断熱付ダクトはなかなかのアイデア部材でした。
一枚の樹脂の下側が断面的にU字型になっていて、上側がU字にはまって抜けない形状になっています。
この樹脂を丸く一周して上側と下側をはめ込むことを続ければいくらでも長いダクトになりますし、断熱材も付けられ、はめ込み部分に遊びがあるので曲げることも出来るというアイデアがつまっていました。
軽い樹脂で丈夫ですし簡単に切ることも可能ですね。
ここで失敗!!
断熱付ダクトは曲がり半径が大きく純正排気ダクトのように直角に小さく曲げられません。
断熱付ダクト 純正排熱ダクト
全体に大きくてかさばり軽キャンピングカーでは使いにくいものでした。
折角良いと思った素材を手に入れたのに断念です。自宅で邪魔になるモノが増えてしまいました(^^;
排熱ダクトを自作するアイデアはここから!
純正ダクトに断熱材を巻くのもどうかと思案しながら、軽くてかさばらない良いアイデアが浮かびました!
実は単身赴任中の工作がヒントです。
部屋と部屋の間に押し入れがありエアコンも片方の部屋にしかつけていませんでした。
隣の寝室も涼しくして寝たい、なんとか隣の部屋に冷気を送る方法がないか!?
サーキュレーターと扇風機で冷気を隣の部屋に送るように置いてみましたがうまくいきません。
それなら直接冷気を送る方法はないかとWEBを検索したら、ゴミ袋をつなげてロフトにサーキュレーターで風を送っている人がいました。
U字型にしたゴミ袋ダクトを作れば隣の部屋に冷気を送れるかも?
早速大きなゴミ袋をセロハンテープでくっつけてU字型のゴミ袋ダクトを作ってみました。
エアコンのついている部屋側に丸いサーキュレーターを置きゴミ袋ダクトをセロハンテープでつないでみます。
エアコンのある部屋にサーキュレーターを置きます。
スイッチを入れた後に扉をギリギリ締めます。
風を送るとうまい具合に膨らんでU字型になります(^^)
冷気を送る方の部屋です。
ゴミ袋の端がバタついたり移動しないようおもりがわりに段ボールの吹き出し口を作りました。
風の向きを変えられるように中に斜めに段ボールのスリットつけています。
雑な作りですが結構いい感じで冷気を隣の部屋に送れて快適に寝ることが出来たのでした(笑)
引っ越しの時の処分も簡単でしたよ。
ちなみに暖房時は暖かい空気が上にたまるため、あまりうまくいきませんでした。
冬は灯油の購入や保管が不要で、すぐに暖かくなり簡単に使えるガスファンヒーターと長いガスホースを購入して両方の部屋で使っていました。
今回はゴミ袋ダクトと同じ発想で断熱性のあるアルミレジャーシートで排熱ダクトを自作してみます。
アルミレジャーシートを排熱ダクトの素材にする
ゴミ袋ダクトのアイデアから折りたたんで小さくなり作りやすいと考えてアルミレジャーシートで作ってみることにしました。
アルミレジャーシートなら軽く、ゴリラテープで止めれば簡単に出来そうです。
熱を反射する部分はアルミ側なのでダクトの内側をアルミ側にします。
クッション材側が表になるため、よく市販されているブルーは車の内装カラーとも合わずホワイトを探しました。
厚みが10ミリくらいで150ミリくらいで折りたためるのがダクトを作りやすいと思いましたが、小さく折りたたむことが出来ないので薄いのにしました。
ホームセンターで探していたらちょうど良い裏がホワイトで厚さ2ミリのグッズがありました。
自宅で断熱性能のチェックです。
この時点ではサーモカメラを持っていなかったので ドライヤーでアルミ側から温めてみて反対側に手のひらをあててみれば熱が伝わります。
そこで2重にしてみたらまあまあいけそうです。
この材料で決定です。
軽キャンピングカーが納車されていないのでダクトの長さなどは決まらずひとまず試作してみます。
※断熱性能をサーモカメラで試してみた記事は以下からご覧ください。
最初の試作
運転席の上にCLECOOLⅢを置いて運転席側の窓ガラスの上部から排気させるとこの写真のようなダクトの形状になります。
この形に合わせてアルミレジャーシートとゴリラテープで自作断熱ダクトを作っていきます。
付属ダクトに巻いてゴリラテープで貼ります。
より断熱効果をあげるために3重にしてみました。
付属ダクトを曲げてみて曲がり部分を作っていきます。
適当に曲がる部分の内側をカットしてゴリラテープで貼っていくことにします。
う~ん?なんだか想定していた形と違い適当にカットしたのもありきれいなRになりません(^^;
そのうえダクトがつぶれてしまいます。
3重で作ったこともあり固くて曲がりにくく、ゴミ袋ダクトのように送風すれば膨らむようにはなりませんでした(泣
Rのところに試しに付属ダクトをカットして曲げて入れてみました。
つぶれるのは防げますがコンパクトに折りたたむことは出来なくなります。
Rのところがテープだらけで見た目が良くないですね。
ここで大失敗!!でした(^^;
チャンバーボックスを作ってみる
丸いままRをうまく作れなかったので、今度はダクトの向きを直角に変えるための四角のチャンバーボックスを試作してみることにしました。
今度も3重で作成です。
丸いダクトの外形より3センチ程度大きめに作ります。
アルミレジャーシートをカットしていきます。
付属ダクトをあてて差し込む部分の丸い穴をあけます。
3つのカットしたアルミレジャーシートをゴリラテープ(クリア)で貼って組み立てていきます。
サイコロのオモチャみたいなのが出来ました(笑)
早速CLECOOLⅢに仮につけてみます。
チャンバーボックスの消音効果なのか、付属ダクトのように内側が凸凹でないためか音が小さくなったような気がします。
ここで失敗!!
断熱性をあげるために3重にしたのもあり厚みが出て(2ミリ×3=6ミリ)薄く折りたたむことが出来ずふくらみます。
このままではいいものが出来そうにない(^^;
四角いチャンバーボックスに丸いダクトをつなげば、よけいにコンパクトにおりたためなくなりそうです。
四角い箱状のモノに丸い筒状のモノをくっつけるのも製作がきれいに出来そうにありません。
そこで発想を切り替えて今度は丸い部分を止めて四角い形で作ることにします。
また、薄いアルミレジャーシートを使って折り畳んでコンパクトにしたいのに、断熱性のため3重にして厚くなったのではコンパクトにはなりません。
何かもっと断熱性の高い素材がないか改めて探すこととします。
ひとまず四角いダクトの試作前にロスが少なくカットする形をメモ用紙で何個か試してみました。
こんな形だと作りやすいと思います。
本体接続部分と細口排気ダクト接続部分以外は送風により膨らんでも気にはなりませんし付属ダクト以上の大きさなので排気に支障はなく音も小さくなるかもしれません。角は45°にして空気の流れが少しは良くなるようにします。
今回は次のダクトを試作するアイデアを出したところまでとします。
しくじりポイント
・断熱付きダクトを使って排熱するアイデアは良かったのですが、曲がり半径が大きく全体に大きくてかさばり軽キャンピングカーでは使いにくいものでした。
・断熱性をあげると厚くなりコンパクトに折りたためなくなりました。
・丸いダクトの直角に曲がる部分がうまく作れませんでした。
まとめ
ダクトの曲がり部分などきちんと計算してカット図などを作ればきれいに出来たかもしれませんが、手抜きしてしまいました(^^;
机上で考えたことを実際に試してみてわかることって多いですよね。
今回は自分が納得できるものにはなりませんでした。
いろいろアイデアを出して試作していれば、いずれ考えていたことに近いものが実現できると思います。
アルミレジャーシートもサーモカメラで実験してみると断熱効果を上げるには厚みが必要で、別の素材で作ってみたくなりました。
少しずつ工夫をして課題の解決をしていくのも楽しみの一つかもしれませんね。
みなさん なかなか最初からうまくいくことって少ないですよね。
次は四角いダクトを試作してみてどんなになるか記事を書きますね。